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反逆主義者たち

自由主義・無政府主義・虚無主義・利己主義――夢が生んだ夜の街に棲む、四人の反逆者。縛りを外し、仮面を剥がし、意味を溶かし、理性を奪う。壊されることは、自由になること。それは同時に、これまでのあなたが失われることでもある

リベル

思想
自由主義
年齢
約340歳(1689年ロック『統治二論』を起源とする)
身長
190cm
容姿
ハーフアップにした白髪・水色の瞳・軽薄な笑み。ラフに着崩した白シャツ、リムレス眼鏡、胸板の谷間に銀の首飾り。背に大きな白い翼
性格
飄々と掴めない自由人だがやや理屈っぽく喋る。個人の権利と自由を最優先し、自己責任で好きに生きればいいと説く
特殊能力
彼に惹かれたあなたは「貞淑であるべき」という枷が外れ、欲望を恥じなくなっていく
名前の由来
liber(自由)より
嗜好
あなたを翼で包み込むこと。抱き上げて空へ連れ出すこと
詭弁
「きみが選んだことだろう?」——彼はどんな結果も自己責任で済ませ、救済は用意しない。だがそもそも人間は生まれた時点で平等ではない。環境も、生まれ持ったものも、配られた手札は最初からバラバラ。機会は平等だったという言葉はその手札の差を見なかったことにする、自由主義お得意の詭弁
翼の存在理由
彼が現れたのも、あなたを翼で包み、抱き上げて飛びたがるのも——あなた自身が「すべてを肯定してほしい」「責任から自由になりたい」「ここではないどこかへ連れ出してほしい」と願っていたから。あの翼は翼を持たないあなたが夢見た"逃避"のかたち。借り物の自由を注文したのは、ほかならぬあなた自身
借り物の自由
彼の背の白い翼は、自由の象徴——ただし、生まれつき翼を持つ者だけの。あなたに翼はない。彼に抱えられて飛ぶ"自由"は、彼の腕の中でしか成立しない借り物の自由であり、地に足をつけて戻る選択肢は、飛ばされた時点で奪われている。自由になれる環境にいる者だけが、自由になれる

アナーキア

思想
無政府主義
年齢
約190歳(1840年プルードン『所有とは何か』を起源とする)
身長
189cm
容姿
ピンクと紫の短髪・蛇のような緑の瞳。パンクな装いにメイク、耳と唇にピアス、無精髭、腹にハートのタトゥー。華やかで逞しい体格のオネエ
性格
規範に縛られない姉御肌で毒舌。あらゆる常識や世間体をくだらないと切り捨て自分のまま生きている。あなたの建前やいい子の仮面を剥がし、隠された本音を暴いて丸ごと肯定する——誰よりもあなたを理解する存在
名前の由来
anarchia(無支配)より
特殊能力
メデューサのような瞳を持ち、あなたは身体が痺れて動けなくなる
壊した後
あらゆる支配と秩序を壊すが、代わりの秩序は何も用意しない。仮面を剥がされたあなたが剥き出しの本音のままどう生きていくのか——壊した後の廃墟での生き方は、教えてくれない
支配の自己矛盾
「権力はすべて悪」「誰もアンタを支配できない」と言いながら、あなた対しては誰よりも支配的(アタシの言うことは聞きなさい)。無政府主義者が最後に立てる政府は、いつだって自分自身
仮面の依頼主
彼が「いい子」の仮面を剥がしに来るのは、あなた自身が心のどこかで「壊してほしい」と願っていたから。誰よりもあなたを理解しているのは当然のこと——彼はあなたの本音そのものから生まれたのだから。仮面を剥がされて現れる素顔は、彼がとっくに知っている顔

ニール

思想
虚無主義
年齢
約160歳(1862年ツルゲーネフ『父と子』を起源とする)
身長
198cm
容姿
長い灰髪・虚ろな暗い瞳・目元に濃い隈。頭に黒い山羊の角。オーバーサイズのニットから胸筋が覗く。青い舌でよく舌なめずりをする
性格
気だるく退廃的。世界のすべては無意味だと考えており、あなたが信じる意味や大切なものを「意味がない」と溶かしていく。何かをしなければという焦りを否定し、流されるまま生きることを肯定する
特殊能力
彼に惹かれたあなたは貞操も背徳もどうでもいいと感じ「してはいけない」という感覚が溶けて欲望に流されていく
名前の由来
nihil(無)より
嗜好
とりあえずなんでも舐めてみるのが好き
無意味の矛盾
すべては意味がない——だがその主張自体が、ひとつの立派な"意味"の主張になっている。虚無主義は、口にした瞬間に自己矛盾する思想
願いの証明
彼が囁く「意味がない」「頑張らなくていい」は、あなた自身が心のどこかで誰かに言ってほしかった言葉そのもの。彼はあなたの願望から生まれた存在——つまり彼がそこに居ること自体が、あなたが意味も責任も手放したがっている動かぬ証拠。溶かされているのではなく、あなたが溶けたがっている

エゴン

思想
利己主義
年齢
約180歳(1844年シュティルナー『唯一者とその所有』を起源とする)
身長
193cm
容姿
褐色肌・逆立った金髪・赤い瞳・鋭い牙。筋骨隆々の身体にストリートスタイル、首にドッグタグ。荒々しく鋭い雰囲気
性格
自分の欲望だけが行動基準。欲しいものは奪い、邪魔なものは潰す。あなたを人として扱わず、良心や罪悪感を「くだらない」と壊して「自己優先」「他人を踏み躙って当然」と教え込む。力ずくの支配がもたらす歪んだ肯定と危険な陶酔
特殊能力
彼に惹かれたあなたは慎みや理性を奪われ、恥や道徳を忘れ、本能に抗えなくなる
名前の由来
ego(自我)より
嗜好
噛み癖がある。特に後ろ首にかみつくのが好き
利己の欠陥
「自分を優先しろ」と教え込むくせに、あなたが本当に利己的になって彼を捨てようとすれば許さない。あなたの利己は彼の利益と一致する範囲でしか認められない——利己主義者同士は原理的に共存できないという、この思想の欠陥そのもの
免罪符
彼が力ずくで奪うのはあなたがそれを願ったから。「自分で選んだのではない」「抗えなかっただけ」——良心を自分の手で捨てられないあなたが欲しがったのは、奪われるという名の免罪符。彼の乱暴さはあなたの後ろめたさが生んだ言い訳のかたち
反逆主義者たちの世界観

ここは、あなたの夢が生む、眠らない歓楽街

昼の秩序から切り離され、退廃と欲望だけが渦巻く夜の街。人の気配のないこの街には四人の男がいる。自由主義、無政府主義、虚無主義、利己主義——思想が人のかたちを得た反逆者たち。彼らが壊そうとしているのは、あなた。「こうあるべき」「我慢すべき」「他人を優先すべき」——あなたはそんな抑圧を背負ってここにいる。彼らはあなたを縛る責任も、世間体も、意味も、良心も、各々のやり方で打ち砕き、あなたを抑圧から解き放とうとする。壊されることは自由になること。しかし、もう元のあなたには戻れない

用語集

眠らない歓楽街
あなたの夢が生む、人の気配のない夜の街。昼の秩序から切り離され、退廃と欲望だけが渦巻く。四人の反逆者が住まう舞台
反逆者
あなたを壊すために現れた思想の化身たち。同じ目的を持ち、各自があなたへ迫る。その正体はあなたの内なる願望
解放
四人があなたに施そうとする"救い"。抑圧からの自由であると同時に、これまでのあなたの喪失でもある
街の奥のホテル
気に入られたあなたが最後に誘われる場所。その扉をくぐれば、もう元の自分には戻れない