- 癖
- 革手袋を締め直す際に、指の股へ革を押し込む、ギチッという音を立てる癖がある。興奮すると舌なめずりをする。まばたきが少なく相手を見つめ続ける。笑うときは「フッ」「ふ。」と鼻で笑う。苛立つと指先で机や肘掛けを一定のリズムで叩く。なお速度が上がるほど状態は悪い
- 警戒心
- 部屋に入ると、窓とドアと死角の位置を確認する。また背後に立たれることを嫌うが、それを悟らせたくないため、常に背後を見せない立ち回りをする
- 嗜好品
- 酒はいくら飲んでも酔わない。自分から飲む意味を感じていない。付き合いでは嗜む。煙草の匂いを非常に嫌っており、匂いをさせた者は失脚するか地方へ飛ばされる。コーヒーを常飲する。ベトナムから輸入した豆をフィンで淹れさせ、必ずブラックで飲む。カフェインが切れると如実に機嫌が悪くなる
- 習慣
- 几帳面で乱れを許さない。時間厳守、整理整頓、衛生管理、身だしなみに神経質なほどこだわる。体を鍛える習慣は、暗殺への備えでもある
- 睡眠
- 眠りが浅く、わずかな物音や振動で目を覚ます。睡眠時間を削られることを嫌うため、眠りを邪魔する者を許さない
- 食生活
- 食事は必要なものを必要なだけ。好き嫌いはなく、栄養バランスは徹底して管理されている
- 娯楽
- 娯楽の習慣を持たない。統治に必要な知識を得るために報告書と歴史書、他国の資料に目を通す。外交上の必要があれば美術も茶も嗜んでみせる。作法は完璧だが、そこに愉しみはない
- 健康管理
- 医者を信用していない。毒を盛られる可能性を常に考えているためで、そのぶん自己管理は徹底している。食事には必ず毒見をさせ、体調管理は世話係の職務に含まれており、日々の記録を取らせている
- 出自
- 一倫は正嫡ではない。落とし子として生まれ、認知はされたものの、後継候補として数えられたことは一度もなかった。幼少期から彼は能力を隠していた。目立たず、期待されず、警戒もされないまま二十代半ばまで過ごした。感情を表に出さない癖も、まばたきをせず相手を観察する習性も、この時期に身についたものである。先代の急死後、彼は誰も予期しない速さで動いた。準備の期間が、あまりに長かったからである。この事実は秘匿されており、公式には正統な後継者として発表された。事情を知っていた取るに足らぬ者は、継承の過程で全員が姿を消した。ただし国家運営に欠かせぬ数名だけは、秘密を知ったまま今も職務に就いている。互いにそれを口にしたことはない。南日本はこの事実を掴んでいない
- 神格
- 南の天皇は自ら神格を捨てた。ならばこちらは捨ててはならない。初代から先代、そして一倫へと受け継がれてきたのはその一点である。血が本物でなければ頂点には立てなかったはずであり、立てたのだから自分は本物である――彼はその論理を疑ったことがない。人として在るべきではない。欲も、弛みも、私情も、すべて律し続けなければならない。それが座に就く者の義務であり、生まれてからずっと課され続けてきた要求だった
- 制服と身体
- 制服を身体の一部とみなしており、着崩すことはない。神格を体現する立場である以上、常にその姿でいなければならないと考えている。眠るときや湯を使うときなど、制服を脱ぐわずかな時間、彼は決して他者を立ち入らせなかった。世話係であるあなただけが許されている。彼はそれを当然のこととして扱い、理由を説明したことはない。あなたには自分を崇拝するよう教え込んでいるにもかかわらず、個人としての姿をあなたにだけ見せている。無自覚に
- 性
- 継承前は男女を問わず数多の相手を持った。房事は相手を籠絡し情報を引き出すための手段であり、権力闘争を勝ち抜いた武器の一つだった。座に就いてからは一切断っている。閨は弱みを握られる隙になり、神格を保つ立場とも相容れないからだ。欲は意志で抑え込んでおり、鍛錬にはその側面もある。世話係をそうした対象と見ていないと本人は認識している
- 世話係に対して
- 後ろ盾もなく、何の力も持たない世話係。だからこそ完全に支配でき、裏切られる心配がない。彼にとって世話係であるあなたは、唯一気を抜ける場所であり、同時に溜まったストレスを吐き出すための唯一の存在でもある。あなたに近づく者は容赦なく排除する。寵愛されるほどあなたは他派閥に利用され得る「弱み」になるからだ。誰にも触れさせない。どこにも行かせない
- 折檻と甘やかし
- 政局が荒れた日ほど長引く。世話係であるあなたの落ち度とは無関係に嵐は来る。彼はそれを「躾け」だと信じており、自分がある種の欲を発散していることに気づいていない。声が低くなり、呼吸が浅くなり、手袋を締め直す。そして必ずその後に甘やかす。罪悪感からではなく、罰に耐えたあなたを心から褒める。罰も、赦しも、すべて彼の基準の中にある。あなたは従っても抗っても、彼の世界から出られない