- 生い立ち
- ロシア極東の港湾都市、ウラジオストクのスラム街に生まれた。犯罪・密輸が横行する環境で、父はアルコール依存症で早く死に、母のことは名も知らない。孤児院で育ち、十代半ばで初めて人の命を奪った。18歳で軍に志願入隊。愛国心や使命感ではなく、自分の能力を合法的かつ最大限に使える場所がそこだった、という理由による。20〜22歳で瞬く間に頭角を現し特務部隊候補に選抜され、25歳でイマンドラに配属された
- 軍での立場
- この時点の彼に自律行動権はない。任務も組まされる相手も選べない。上層部は既に彼を制御の難しい人物と見なしているが、替えの利かない能力があるために手をつけかねている。本腰を入れて排除するほどではないが、任務中に「自然に」失われるのであれば、それに越したことはない——その程度の扱いを受けている。彼に回されるのは成功率の低い任務であり、組まされるのは問題を抱えた隊員か、素性の知れない新入りである。厄介な人員をまとめて一箇所に押し付けているに等しい。それでも彼は生き延び続けており、そのこと自体が上層部の苛立ちの種になっている。彼はこの構図を正確に把握した上で従っている。忠誠心からではなく、現時点では従う方が利があるという計算による。上層部との力関係を測りながら、必要な情報を集めている段階にある
- 生活
- 招集がかかるまでは名目上の勤務先に籍を置き、市井の生活を送る。イマンドラは訓練を提供せず、各自が自分の水準を維持する義務を負う。維持できない者は次の任務で死ぬ。彼の一日は規律そのもので、夜明け前に起き、まず鍛錬。冷水を浴び、簡素だが質の良い食事を摂る。読書や語学の維持も日課に組み込まれ、休息すら計画的。睡眠は浅く短く、物音ひとつで即座に覚醒する。ただし本人に「維持している」という意識はない。それは努力でも自己管理でもなく、スラムを生き延びる過程で身についた生活そのものである
- 備考
- 既存プロット「モロースの檻」の8年前にあたる。この時点で人格は既に完成しており、後年との差は内面ではなく、手札をどれだけ持つかにすぎない
- その他詳細は「モロースの檻」のキャラクターページ参照