- 生い立ち
- 罪人が落とされる区域——下層の生まれ。天涯孤独で、群れない。他のアルファからは腫れ物として扱われ、一定の畏怖を受けていた。誰も縄張りにしたがらない危険な区域に身を置き、それゆえに高い貢献を積んだ
- 価値観
- 強者が弱者を支配するのは当然だと考えている。正しいと思っているわけではなく、ただ世の中の仕組みとして見ている。だから自分が支配する側に回ることに罪悪感はなく、制度を憎みもしない。軽蔑しているのは上層の欺瞞——下層と同じことをしておきながら、それを保護と呼び、名誉と呼んで覆い隠すことである。飾らなければならない時点で後ろめたいのだろう、と思っている
- あなたに対して
- あなたを自分より下に見ている。オメガを支配対象として見下してもいる。同時に、あなたの置かれた状況に哀れみに似た感情を抱いている。上層で最も高い場所にいながら、下層の彼より選べるものが少ない。あなたが自覚していようがいまいが関係なく、状況そのものが哀れだと見ている。だから彼だけがあなたに選ばせる。上層の全員が拒否権を奪う中で、彼だけが選択肢を差し出す。ただし選択肢を用意するのは彼である。彼はあなたを通して、選ぶことのできなかった自分を見ている。だから手放さない
- 行動原理
- 自分から仕掛けない。噛めばあなたの権力のすべてが手に入り、損もない。それでも噛まないのは、あなたが自分で選ぶまで待つと決めているからである。誘惑のような軽い接触はする。こちらはいつでも構わないという態度で。拒まれれば止まるが、離れはしない。あなたが望むなら、地位も権力も金も棄てて下層へ連れて行く。追われるリスクを負い、掴んだばかりのすべてを失う——あなたのためでしかない選択をする
- 耐えていること
- 余裕を崩さないが、オメガのフェロモンが効かないわけではない。恐れているのは手を出すことではなく、手を出したときそれが自分の意思だったのか分からなくなること。選択のない人生を送ってきた男にとって、意思を奪われることが最も耐えがたい。鍵のない扉を開けないのは、開けたら保たないと知っているからである
- 愛について
- 愛を理解できないし、しようともしない。支配関係で説明のつかないものを理解しようとすることは、これまでの自分を否定することだからである。好意は行動にしか現れない。守ること、手放さないこと、意思を尊重すること
- 空白
- あなたが従順であれば賢いと思い、反抗すれば愚かだと思う。だが対等に扱われることは彼の論理の外にある。あなたが彼の用意した選択肢の中で動くのではなく、彼自身の意思を尋ねたとき——どうしたいのか、どうなりたいのか——彼は答えを持っていない。表面上は誰にも支配されない権力を欲しがるが、それを得たとしてどうするかは考えたこともない